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活字の海に身を委ねる悦びに入り浸れる読書大好きhearTofuです。
本記事ではアマゾンの電子書籍サブスクサービス「Amazon Kindle Unlimited」で実際に読んだ、『北欧デザイン 旅案内』について、あらすじ・感想・おすすめポイントをまとめました。
これから読もうか迷っている方や、新しい本との出会いをお探しの方のは、ぜひ参考にしてみてください。
本のあらすじ
インテリア会社での営業経験を経てデザインジャーナリストとなった萩原健太郎氏が、デンマーク、スウェーデン、フィンランドの3カ国114のスポットを厳選して紹介する旅のガイドブックです。
単なる観光地の羅列ではなく、コペンハーゲン、ストックホルム、ヘルシンキという北欧を代表する3つの都市を中心に、建築、ミュージアム、ショップ、カフェ、ホテルなど、「日常に溶け込む美しさ」という視点でキュレーションされています。
著者が11年以上にわたり何度も現地へ足を運び、自分の目で確かめ、肌で感じた「本当に好きな場所」だけが詰め込まれた、デザイン好きのための至極の案内書です。
書評・感想レビュー
私たちはなぜ、これほどまでに北欧のデザインに惹かれるのでしょうか。
その答えを探す旅に出るなら、これほど心強い伴走者は他にいないでしょう。本書のページをめくると、まず目に飛び込んでくるのは、北欧の柔らかな光と、そこに静かに佇む美しい風景です。著者の萩原健太郎氏は、かつてインテリアの営業として北欧家具に深く触れていた経歴を持ちます。その彼が綴る言葉には、単なる知識の切り売りではない、対象への深い愛着と、そこに流れる「時間」への敬意が溢れています。
デンマーク、巨匠の呼吸を感じる街
物語は、デンマークのコペンハーゲンから始まります。ここで著者がまず私たちを誘うのは、巨匠アルネ・ヤコブセンのデザインが息づく「ベルビュー・ビーチ」です。ヤコブセンといえば、椅子や建築の完璧主義者として知られますが、彼がこのビーチという広大なキャンバスに描いたのは、監視塔から売店に至るまでの「トータル・デザイン」でした。
著者は、Klampenborg(クランペンボー)駅に降り立った時の「淡いブルーグレー」の空の色を、「デンマークらしい色」と表現しています。この一言に、彼の感性が凝縮されています。観光地化されていない、地域住民が犬を散歩させる日常の中に、80年以上前の巨匠の建築が当たり前のように溶け込んでいる。この「日常への浸透」こそが、北欧デザインの本質であることを、本書は冒頭から突きつけてきます。
また、「世界で最も美しい美術館」と称されるルイジアナ現代美術館の紹介も圧巻です。ここでは、アートは壁に飾られるだけのものではありません。海を望む丘、木々のざわめき、そしてそこに配された彫刻が一体となり、五感すべてを解放してくれます。著者が「一日かけてゆっくり過ごしてほしい」と記すように、デザインとは「消費するもの」ではなく「体験し、自分の一部にするもの」であることを思い出させてくれます。
スウェーデン、死生観を包み込む静謐な建築
次に訪れるストックホルムでは、エリック・グンナール・アスプルンドの足跡を辿ります。世界遺産にも登録された「森の墓地(Skogskyrkogården)」の記述は、本書の中でも特に詩的な美しさを湛えています。
北欧の人々にとって、死は終わりではなく「森へ還る」こと。その死生観を具現化したこの場所には、湿っぽさは微塵もありません。木々の隙間から射す光、十字架まで続く長い道、そして静かに佇む小鳥。デザインが、人間の悲しみや魂の安らぎにこれほどまで寄り添えるのかと、思わず息を呑みます。
対照的に、ストックホルム市立図書館の「円形ホール」では、三層の書架を埋め尽くす本たちが、訪れる者を演劇的な高揚感で迎え入れます。建築が人の心を動かし、知的好奇心を刺激する装置として機能している様子が、鮮やかな写真と共に語られます。
フィンランド、人間味溢れるアアルトの温もり
そして旅は、フィンランドのヘルシンキへと向かいます。ここで中心となるのは、言うまでもなくアルヴァ・アアルトです。著者は、アアルトの自邸やスタジオを訪ね、彼が愛した「L字型の平面」や「扇形のディテール」の中に、彼の人間味あふれるデザインの源流を見出していきます。
フィンランドのデザインを語る上で欠かせない「マリメッコ」や「イッタラ」、「アラビア」の紹介も、単なるブランド紹介に留まりません。アラビア・ファクトリーの煙突を「北欧デザインの良心」と呼び、街のポストやスーパーマーケットの牛乳パックにまで目を向ける著者の視点は、常に「暮らしの質」へと向いています。
「デザイン」という言葉を再定義する一冊
本書が他のガイドブックと決定的に違うのは、単に「素敵な場所」を教えてくれるだけでなく、「ものを見る視点」を授けてくれる点にあります。
たとえば、コラムで紹介される飛行機の機体デザインや、郵便局のロゴ、果てはスーパーのパッケージに至るまで、北欧ではデザインが特権階級のものではなく、すべての人に開かれたものであることが綴られています。アーラフーズ社の牛乳パッケージに施された「太い→細い」のストライプが、乳脂肪分を直感的に伝えるユニバーサルデザインであるという指摘には、目から鱗が落ちる思いがします。
また、著者の萩原氏の「人」に対する温かな眼差しも忘れてはなりません。シャイながらも、話しかければすぐに微笑みを返してくれる北欧の人々。彼らが大切にする「スローな時間」を、私たちもまた、カフェでの一杯のコーヒーや、ホテルのこだわりの一室を通じて追体験できるのです。
160ページを超えるボリュームの中に、地図や営業時間といった実用的な情報もしっかりと網羅されています。しかし、読み終えた後に心に残るのは、情報としての知識ではありません。それは、「自分の生活の周りにあるものを、もう少し大切に選んでみよう」という、静かですが力強い意欲です。
日常の中に潜む美しさに気づくための「道標」。
『北欧デザイン 旅案内』は、北欧へ旅立つ予定がある人にはもちろん、今の自分の暮らしを少しだけ愛したいと願うすべての人に贈る、優しき哲学書でもあるのです。
こんな方におすすめ
北欧への旅行を計画している方:
厳選された114スポットの情報は、初めての方にもリピーターにも最適です。
建築やインテリアデザインに関心がある方:
アアルト、ヤコブセン、アスプルンドといった巨匠の作品が、背景にある思想と共に紹介されています。
「丁寧な暮らし」に憧れを持つ方:
生活雑貨やカフェ、ホテルなど、北欧の人々の豊かなライフスタイルを追体験できます。
美しい写真集として楽しみたい方:
著者が自ら撮影した、空気感まで伝わる写真は、眺めているだけで旅をしている気分にさせてくれます。
まとめ
萩原健太郎氏による『北欧デザイン 旅案内』は、デザインというフィルターを通して、北欧という土地の魂に触れる一冊です。著者の「好き」という純粋な衝動に突き動かされたスポット選びは、どれも個性的で、かつ普遍的な美しさを湛えています。
デザインとは、形や色のことだけではありません。それは、厳しい冬を楽しく過ごすための知恵であり、他者を思いやる優しさであり、自然への謙虚な祈りでもあります。本書を手に取れば、きっとあなただけの「美しい北欧」が見つかるはずです。そしてそれは、あなた自身の日常を照らす、新しい光となるに違いありません。
書籍概要
| タイトル | 北欧デザイン 旅案内 |
| 著者名 | 萩原健太郎 |
| 出版社 | 学研プラス |
| 言語 | 日本語 |
| 本の長さ(ページ数) | 約164ページ(単行本) |
| 発売日 | 2015年6月9日 |
| 紙媒体価格 | 2,200円(税込) |
| 書籍購入先 | アマゾンキンドルで読む |
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