被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」|感想・書評レビュー

被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」|感想・書評レビュー

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本記事ではアマゾンの電子書籍サブスクサービス「Amazon Kindle Unlimited」で実際に読んだ、『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」』について、あらすじ・感想・おすすめポイントをまとめました。
これから読もうか迷っている方や、新しい本との出会いをお探しの方のは、ぜひ参考にしてみてください。

本のあらすじ

著者のアベナオミさんは、宮城県で生まれ育ち、もともと「地震には強い」という自負のある県民性の中で育ちました。しかし、2011年3月11日の東日本大震災は、その想像を絶するものでした。車を運転中に被災し、ハンドルを取られるほどの揺れを経験。当時1歳半だった息子・豆キチくんを抱え、電気が止まり、情報が遮断された真っ暗な夜を過ごします。
被災後に待っていたのは、「震災前の自分」への後悔でした。携帯のバッテリー、買い置きの食料、そして何より「水」を溜めておかなかったことへの悔やみ。この後悔を二度と繰り返さないために、アベさんが始めたのが「1日1防災」という習慣です。
本書は、震災当時の緊迫した様子を描いたコミックエッセイから始まり、著者が現在進行形で続けている40の具体的な防災アイディア、さらには「ミニマル防災」や「都市部での防災」といった多角的な視点まで、イラストを交えて分かりやすく解説しています。「特別な準備」ではなく、「今の暮らしを少し変えるだけ」でできる、持続可能な防災の形を提示しています。

書評・感想レビュー

「あの時」の痛みが教える、リアリティの重み

本書の冒頭、震災発生から翌朝までの様子を描いたコミックエッセイを読み、私は胸が締め付けられるような衝撃を受けました。そこには、教科書的な防災訓練では決して学べない「生(なま)の現実」が描かれているからです。

例えば、断水した翌朝のトイレの問題です。アベさんは「震災直後、水が出ていたのに、なぜお風呂に水を溜めておかなかったのか」と激しく自分を責めます。雪を湯船に溜めてトイレ用の水にするという切実な工夫や、夫婦間で避難に対する意見が合わずパニックになる描写は、いざという時に私たちが直面するであろう「正解のない混乱」をリアルに突きつけます。

また、情報が入らない恐怖も印象的です。電話もネットも繋がらない中、頼りになったのは実家の母から渡された1台のラジオでした。しかし、そのラジオから流れてきたのは、地元の浜で数百人の遺体が発見されたという衝撃的なニュース。その瞬間にスーッと血の気が引いていくアベさんの感覚は、読んでいるこちら側にも震えるような恐怖として伝わってきます。この「痛み」の共有があるからこそ、その後に続く40のアイディアが、単なる「豆知識」ではなく「命を守るための切実な知恵」として説得力を持つのです。

「頑張らない防災」という革新

本書の核となる第2章では、40のアイディアが紹介されています。ここで驚かされるのは、そのほとんどが「100均」や「IKEA」、あるいは「普段使いの家電」で完結しているという点です。

これまでの防災といえば、仰々しい銀色の非常持出し袋を用意し、普段はクローゼットの奥にしまい込んでおくものでした。しかし、アベさんはそれを否定します。 「床を綺麗にしないと歩けない」からホウキとチリトリを玄関に置く。 「両手がフリーになる」から普段からママバッグをリュックにする。 「停電してもいつもの料理ができる」からカセットコンロを備える。

特に私が膝を打ったのは、「おしりふき最強説」です。断水でお風呂に入れない時、赤ちゃんのおしりふきは全身を拭くのにこれ以上ないほど重宝します。これは子育て経験者ならではの視点ですが、実は大人にとっても最高の衛生用品なのです。こうした「日常の延長線上にある備え」は、コストも低く、何より「続けられる」という最大のメリットがあります。

また、著者は「マキタの充電式クリーナー」を絶賛しています。震災直後の室内は、割れたガラスや食器の破片で足の踏み場もありません。コードレスの掃除機があれば、電気が通っていなくても掃除ができ、生活空間を確保できます。こうした「実際に使ってみて分かったこと」の積み重ねが、本書を唯一無二の存在にしています。

「ミニマル防災」——モノを減らすことが、安全への最短距離

第3章で提唱される「ミニマル防災」は、現代のライフスタイルに非常にマッチした考え方です。アベさんは、あるミニマリストとの出会いを通じて、「モノが少なければ、地震が起きても凶器にならない、散らからない」という真理にたどり着きます。

東日本大震災では、自宅を片付けていて逃げ遅れた人や、散らかったモノの中から貴重品を探している間に津波に飲まれてしまった人が多くいたといいます。この事実は衝撃的です。つまり、「断捨離」は単なる流行の整理術ではなく、立派な「防災活動」なのです。

「つっぱり棒をつける前に、タンスの配置を変える」「重い本は下段、上段は軽くする」といった具体的なアドバイスは、今すぐ自分の部屋で見直せるものばかりです。また、食べながら備蓄する「ローリングストック法」についても、著者は「お蔵入りさせず、使いながらストック」することの重要性を説いています。特に日本人の食生活に合った「まごわやさしい(豆、ごま、わかめ、野菜、魚、しいたけ、いも)」の備蓄提案は、健康面も考慮されており、非常に理にかなっています。

最後に問われるのは「想像力」

本書が最終的に読者に求めているのは、特定のグッズを買うことではなく、「想像力を養うこと」です。

著者は、NPO法人ママプラグの富川万美さんとの対談を通じ、「自分に合う防災」を考えるヒントを提示しています。 「もし今、ここで地震が起きたら?」 「自分の家族に食物アレルギーがある場合はどうするか?」 「ペットを飼っている場合の避難はどうなるか?」 住んでいる場所、家族構成、体質。防災は一人一人千差万別であり、「これさえあれば大丈夫」という万能な正解はありません。

アベさんは震災後、自ら「防災士」の資格を取得しました。その過程で彼女が気づいたのは、防災とは「目の前の命を救うための勇気を手にする」ことだという点です。自分が生き残れば、救助者が増え、誰かの命を助けられるかもしれない。そのための準備を、ゲーム感覚でいいから今この瞬間から始めてほしい。そんな著者の祈りにも似たメッセージが、全編通して流れる温かいイラストから伝わってきます。

総評

本書の素晴らしさは、著者の「弱さ」や「失敗」を隠さずにさらけ出している点にあります。プロのスペシャリストではなく、一人の「被災ママ」として出発した彼女の視点は、専門家の解説よりもはるかに私たちの心に深く入り込みます。

限られたスペースでは語り尽くせないほどの知恵が、この140ページあまりに凝縮されています。読み終えた後、私はまず、お風呂に水を溜め、キッチンのハサミを手に取りました。「あ、これならできる」。そう思わせてくれることが、本書の最大の功績でしょう。

「1日1防災」。その小さな一歩が、いつか来るかもしれない「その時」に、あなたとあなたの愛する人を守る最強の盾になるはずです。

こんな方におすすめ

  • 小さなお子様がいるご家庭
    オムツやミルクの備え、避難所での子供のケアなど、親としての切実な悩みに寄り添ったアイディアが満載です。
  • 「防災は何から始めていいか分からない」という方
    仰々しいセットを揃える前に、今の生活の中でできる「小さな工夫」から学べます。
  • インテリアや整理整頓に関心がある方
    「モノを減らすことが防災になる」という視点は、スッキリとした暮らしを目指す方にも響くはずです。
  • 都市部にお住まいの方
    「帰宅困難者」としての対策や、エレベーター停止への備えなど、都会ならではのリスクへのヒントがあります。

まとめ

アベナオミさんの『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40』は、過去の震災の記憶を、未来を生きるための「力」に変えてくれる一冊です。 「防災はオシャレじゃないから」「完璧にできないから」と諦める必要はありません。IKEAのランタンを飾ることも、カセットコンロで美味しい鍋を囲むことも、すべては立派な防災への第一歩です。
大切なのは、意気込むことではなく、意識すること。そして、自分と家族の姿を具体的に「想像」すること。本書を読み終えた時、あなたの部屋の風景は、少しだけ違って見えるかもしれません。それは、あなたが「守るための知恵」を手に入れた証拠なのです。

書籍概要

タイトル被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」
著者名アベナオミ
出版社学研プラス
言語日本語
本の長さ(ページ数)約144ページ(文庫本)
発売日2017年2月7日
紙媒体価格1,540円(税込)
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